空想学園(9)

鮮やかな青色の空が頭上高い午後。急勾配の坂道を上り市役所通りの道を曲がって学校に行く。今日の目的は講義を受けることではなく友人達の偵察である。丁度始業時間直後なためか校舎内は静まりかえっていて私は空の教室をいくつか通りすぎた。コの字廊下の突き当たりの右手側の教室が賑わう声がしたので開け放たれたドアから中を覗くとビンゴ,S男・M子・T子・Y子の四人の姿が見えた。とりわけ気がかりだったのが想い合っているのにあと一歩踏み出せず互いに意地ばかり張っているS男とM子だったが,見たところ近頃はそこそこの関係を維持できているようだった。私は胸を撫で下ろしながらはしゃぐ友人達を遠くから見つめた。
はてな夢日記